オフィスの引っ越し

必見!事務所・オフィスの引越しを成功させる6つのポイント

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2012年問題*と呼ばれた都心の商業ビル空室率の急上昇がありましたが、都心を含め日本の商業ビル入居率は順調に回復しています。業績も上がり、オフィスの移転も増えてきましたが、個人の引越しのように簡単にはいきません。スムーズなオフィスの引越し方について考えてみましょう。

おっフィスの引っ越し

オフィスの引越しは簡単ではない

固定費の削減や業容の拡大、さらにはオフィス環境の改善、企業イメージの向上など、事務所を移転する理由はさまざまです。どのような理由で、そのような物件に移転するとしても、また、小規模な拠点といえどもオフィスの移転は簡単ではなく、企業の担当者は頭を悩ませることが多い。

現在のビルの解約から原状回復、移転のスケジュール調整、取引先への通達から官公庁への届け出、やらなければならないことは山ほどあります。

個人とは違い、企業の引越しはそうそうあることではなく、移転の責任者も経験者は少ない。このため、オフィスビルの仲介業者の中には、移転の計画立案から実際の引越しまで一切をサポートする会社もあります。

 

引っ越しのコンサルタント

いわばコンサルタント的な仲介業者が介在する場合は、引越し業者の手配や細かい作業の指示などを企業の担当者は考えずにすみます。しかし、日本の企業の99%以上は中小企業、小規模事業者である。引越し作業をコンサル任せにできる会社はそう多くはありません。

そこで最近は、いわゆる引越し業者が引越し作業だけでなく、現状の調査から新オフィスのレイアウト、設備内装工事までの一切を引き受けるケースも増えてきています。

これらを総務部門だけでこなすとなると、担当者が何社もの業者に個別にプランを作成させて、見積もりを取り、比較検討してスケジューリングまでしなければなりません。

 

オフィスの引っ越しのポイント

オフィスの引越をスムーズに進めるために押さえておきたいポイントは以下の通り。業者に委託するにしても、社内できっちり準備することがオフィスの引っ越しを成功させるために重要です。

  • オフィスのレイアウト
  • ネットワーク工事の業者選び
  • リスクマネジメント 移転
  • 作業計画をしっかり立てる
  • 当日の段取りは事前説明会で周知徹底
  • 引越し後の作業と処理

 

オフィスのレイアウトで考えるべきこと

オフィスの移転、引越しはまず新オフィスのレイアウトから検討を始めなければなりません。移転するに際して、やはりコストは需要な課題です。

移転する理由にもよりますが、できることなら固定費を抑えて限られたスペースを有効に、さらに欲をいえば業務効率が上がるようにレイアウトしたいものです。

オフィスのレイアウトで考えるべきこと

http://bunsoudo.net/officeplanning/layout.html

オフィスのレイアウトは、部門に所属する人数で床面積を頭割りすればよい、というものではなく、社員同士のコミュニケーションも考えなければならないし、什器やOA機器の配置にも気を使う必要があります。

たとえば、全員が常にオフィスにいるわけではなく、時間帯によってオフィス内にいる顔ぶれや人数が変わるのであれば、広さだけでなく時間によるエリア配分やコミュニケーションエリアを考えなければなりません。

人数の頭割りだけでは広い部屋を少ない人数で占有する時間帯が増えてしまいます。広さと人数に時間をかけ合わせて考えることも必要です。

ミーティングスペースも、最大規模の会議室がひとつだけあるのではなく、小さなスペースでいくつかに分けたほうが効率がよく、コミュニケーションも図りやすくなります。こうしたレイアウトやゾーンスペースの検討がオフィスの引越しには必要不可欠で、最も重要な課題でもあります。
 

ネットワーク工事は業者選びが大切

レイアウトを決めたら、次はネットワークの工事を検討しなければなりません。現代の社会、企業において通信ネットワークは生命線といっても過言ではありません。通信ネットワークが寸断されば瞬時に企業は麻痺し、すべての機能を失ってしまいます。
したがって、ただ単に配線すればよいというだけではなく、ネットワークの出入り口からオフィス内の配線、バックアップ用の記憶装置に至るまで冗長化されているのが理想です。
また、今や社内ネットワークに無線LANは欠かせませんが、無線LANでトラブルになりやすのが複数のアクセスポイント間でのローミングです。

ネットワーク工事は業者選びが大切

http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NCC/NETPOINT/20050411/158808/

今やオフィス内においても、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンを業務に使用することが珍しくありません。また、こうした通信端末を操作しながらの移動も珍しくありません。

アクセスポイントAからアクセスポイントBへとスムーズに接続が切り替わらないと、途中で通信が切れたり、データが消失したりして業務が停滞しかねないのです。

また、移動する無線端末が1か所に集中すれば、通信速度が低下して業務に支障をきたします。1台のアクセスポイントに接続できる端末の台数には制限があるので、アクセスポイントの配置が無線ネットワークのカギとなります。

無線LANでインターネット上にあるクラウドサービスを利用している場合など、通信の切断によってデータ消失のリスクもあるので、無線ネットワークの構築には万全を期しておきましょう。

また、有線で行う基幹ネットワークの配線は、将来の人員の増減にも対応できるようわかりやすく設計されているべきです。

そのためには、ネットワーク工事を得意とする引越し業者か、ネットワーク工事専門の業者に発注するのが原則です。業者選びはネットワーク工事の最重要項目です。

 

レイアウトはリスクマネージメントを考えて

企業におけるリスク管理、防災減災の観点からも、オフィスのレイアウトや什器類の配置を考えなければなりません。

オフィス内のどこにいても最短の避難経路が確保できるよう良く検討し、地震の際にキャビネットが倒れて避難経路をふさいだりすることのないよう、慎重に各種機器類の配置を決める必要があります。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000027/1000295.html

さらに災害時に自社の保管データや個人情報が、消失したり流出したりすることのないよう、情報セキュリティにも気を配らなければなりません。今や企業の危機管理はハードだけでなく、ソフト面についても考えなければいけない時代なのです。
 

移転作業は計画をしっかり立てるべし

レイアウトやネットワーク工事の日程が決まったら、いよいよ移転作業の計画に入ります。
計画立案にあたり、移転担当者は取引先に移転通知、役所や官公庁に所在地変更などの届け出をすませておくこと。引越し業者側では引越しの計画書を作成し、企業側の移転担当者と調整を行います。

まずは新旧所在地の周辺道路状況を確認し、所轄警察署への道路使用許可を申請します。道路交通法では、荷物の積み下ろしができる駐車時間は5分間と定められているので、道路の使用許可を取らなければなりません。

しかし周辺の混雑状況によっては、希望の時間帯に許可がおりないこともあります。この点については引越し業者と事前によく話し合っておきましょう。

引越しの前日までに各種の届け出、運搬経路の確認、エレベーターの養生用資材や台車等の搬入を行い、ネットワークをはじめとする各種配線工事、エアコンの工事、カーペットなど内装工事も終了させておきます。

また、古くなって廃棄するOA機器や什器類の処分も段取り、退去後の原状復帰作業や清掃の準備もしておきましょう。

移転作業は計画をしっかりたてるべし

http://www.skuare.net/monipla/2009/04/post-66.html

 

実際の引越し作業は専門業者にすべて任せておけば心配ありませんが、書類の整理や処分は自分たちで済ませておく必要があります。

長期保管の必要な書類、廃棄しなければならない書類、常時使用するファイル類などに分類し、新しい事務所のどこに搬入するかをダンボール箱に記載しておきます。

電子ファイルが蓄積された個人のパソコン、ハードディスク、メモリーや光ディスクなどは紛失したり、破損したりしないよう厳重な管理が求められます。引越しを機にこれらの電子情報は、クラウドサービスや会社のサーバーなどで一括管理しておくのが最も安全で安心でしょう。

紙媒体での個人情報や会社の機密に類する書類については、特に慎重に梱包しなければなりません。情報漏えいを防ぐため、引越し作業員の身元確認や、廃棄証明などに対応した引越し業者を選ぶのが原則です。
 

引越し当日の段取りは事前説明会で周知徹底を

引越し当日の引越し作業スタッフは、オフィスからの搬出と搬入担当、エレベーターでの運搬担当、車両への積み降ろし担当、といった具合に分担して作業を行うのが効率的です。道路を占有している場合は、交通整理や歩行者誘導を行わなければならないこともあります。

必ずしも、引越し作業当日に社員や従業員が出社する必要はなく、全体の指示を出す総務の担当者と数名の手伝いのほかは、引越し業者に任せておけばいいのですが、クレーム対応などで出社しなけばならない場合もあるでしょう。

営業部門など顧客担当の社員には、移転日を得意先に周知しておくよう指示を徹底しておきましょう。

オフィスの引越しは休日に行うことが多ですが、場合によっては平日になることも考えられます。このような場合に備えて、移転のスケジュール表と手順書、作業分担表などを作成し、作業に参加する従業員を対象とした説明会を開催しておきます。

引越し当日の段取りは事前説明会で周知徹底を

説明会へは引越し業者にも参加してもらい、前日までの準備や当日の具体的な作業内容と手順について全体ですり合せを行っておきましょう。

人が多すぎて引越しの現場が混乱したり、けがをしたりすることのないように、フロア図も作成して引越し作業の動線を確認しておきます。

 

引越し後の作業と処理もおろそかにしない

引越し後の開梱も面倒な作業のひとつです。すべての書類が段ボール箱に詰められていたるところに積み上げられています。これらをひとつひとつ確認しながら、デスクやキャビネットに収納していかなければなりません。
書類や小物類を取り出した後、大量の段ボール箱や不要な梱包資材がゴミとして発生します。

引越し後のごみの廃棄についても、あらかじめ一時保管場所などを決めておき、業務の妨げにならないよう処分の手配もしておきましょう。くれぐれもごみと一緒に重要な書類を廃棄したりということのないよう、処分にも十分な注意を払わなければいけません。

引越し後の作業と処理もおろそかにしない

http://www.sato-shoten.co.jp/document.html

移転後は関係官庁に速やかに届け出をしなければなりません。法務局に本店移転登記、新旧の税務署へ異動届、社会保険事務所、労働基準監督署、職業安定所、郵便局などに住所変更の届出が必要となります。

また、個人と同じく、取引銀行、証券会社などの金融機関、リース会社、電気・ガス・水道、新聞雑誌購読、通信事業者やOA・ネットワーク機器の問い合わせ窓口も移転先に変更、担当者の確認をしておきましょう。

会社案内や封筒、納品書や請求書など帳票類、ゴム印等も変更しなければなりませんが、在庫が多い場合はシールなどで訂正して使用します。名刺については必ず事前に準備しておき、うっかり古い名刺を出したりすることのないよう、旧住所の名刺は速やかに処分しておきます。

 

オフィスの引越し業者は運送業だけではない

オフィスの引越しも個人の引越しと同様、日通やアート引越センターなど、いわゆる引越し専門業者で引き受けてくれます。引越し専門業者の多くは運送業で、国土交通省の標準引越運送約款に基づいて引越し業務を行っています。しかし、中にはオフィス専門の引越しを手掛けている会社もあります。

オフィス専門の引越しを手掛ける会社は、建設業や電気工事、内装工事などを主な事業としている業者もあります。

また、賃貸オフィスビルの仲介を行う宅建取引業が、移転計画のプランニングから実際の引越し作業までをワンストップで行うこともあります。後者の場合、引越し作業は専門業者に外注することになります。

引越しの選択肢はさまざまですが、企業にとってオフィスの引越しは一大事業であり、特に本社機能の移転は企業の業績を左右しかねません。移転先を検討し、最適なオフィスビルを見つけてから、実際に移転するまでに最低でも6か月は計画遂行期間を用意しておきたいところです。

移転作業をひとつのプロジェクトとして考え、移転作業チームを組織し、途中イレギュラーな事態が発生しても対応できるよう、十分な時間的余裕をもって計画を進めましょう。オフィスの引越しで一番大切なことは綿密な計画と、不測の事態が発生しないように先を見越した遂行力です。

オフィスの引越し業者は運送業だけではない

http://www.kokuyo-eng.co.jp/
 

2012年問題と空室率の回復とオフィスの引っ越しの増加

都心では2012年に「渋谷ヒカリエ」、丸の内の「JPタワー」など、大型オフィスビルの竣工が相次いだため、その他の新築オフィスビルの空室率が4割近くにも上りました。
既存のオフィスビルでも空室が相次ぎ、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の5区では空室率が9%を超えていました。2012年問題と呼ばれています。

しかし、同じ2012年に発足した安倍内閣のアベノミクスによる金融緩和や、円安・株高の恩恵を受けて、投資家の目が不動産に向けられるようになり、東京、大阪、名古屋の三大都市圏では地価の上昇が始まりました。

都市圏での地価上昇は地方の地価にも影響を与え、さらに円安が海外投資家の目を国内不動産に向けさせました。

おかげで空室率は順調に下がり続け、2015年1月は5%台にまで回復を見せました。アベノミクスの恩恵を受けて業績が上り、より広く、快適でアクセスの良いオフィスに移転する企業が増えてきたためです。

 

まとめ

都心の空室率の急上昇2012年問題から回復し、オフィスの移転が増えてきています。個人の引っ越しと違いオフィスの引っ越しでは、事前の準備から引越し後まで、綿密な計画を立てることが重要です。
移転プロジェクトが自社の今後の発展につながるかどうか、オフィス移転担当の責任は重大です。しかし、見事に移転を完遂させれば、担当者自身の今後の発展につながることは間違いないでしょう。

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