引越し後に広いスペースが確保できた部屋。

引越し搬入スペースの用途別レンタル収納スペースの選び方

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国土のせまい日本の住宅事情が生んだ、文字通りのすき間産業であるトランクルーム。最近はトランクルームも多様化し、レンタル収納スペースなどは数千円から利用できるようになりました。新居の室内をぐっと広々させるトランクルーム、引越しの際にうまく利用するには?

トランクルームってどんなもの

一般の個人利用が広がってきたトランクルームクルーム

参考:トランクルームチャンネル

かつては企業や一部の富裕層が主要顧客だったトランクルームですが、都市部で商用ビルの空室率が高まるにつれ、空室がレンタル収納サービスに利用されるようになってきました。業態も多様化しつつありし、現在は一般の個人が主要顧客となっています。

トランクルームに収容されるものも、使用しなくなった家具からシーズンオフの洋服やスポーツグッズまで利用範囲が広がっています。特に、東日本大震災後は思い出の品や、骨董品、貴重品など大切な品々を自宅以外に置くことでリスクを分散しようとする動きがみられます。

トランクルームの歴史と定義

歴史の古いトランクルーム
参考:TERRADA

トランクルームの歴史は意外に古く、昭和6年に倉庫業者が始めたのが出発点といわれています。個人向けのトランクルームはオイルショックのあと、昭和50年ごろから首都圏を中心に広がったと考えられていますが、当時はトランクルームに関する基準は明確にされていませんでした。

当時のトランクルームは、倉庫業者が営業倉庫の一部を一般に貸し出す形態でサービスされていました。貸倉庫業には倉庫寄託約款というものがあり、通常の事業者間ではこの約款に基づいて寄託契約が結ばれていました。

ところが、この約款は法人どうしの取引のためのもので、一般消費者には適用しがたい条文が多々あり、しかも倉庫業者が個人客のために作成したトランクルームのパンフレット等とは、矛盾する条文が多く存在します。

例えば、約款には倉庫業者側の「やむを得ない事由により寄託契約を解除でき、その損害は追わない」という条文がありますが、「やむを得ない事由」の中には、倉庫業者に責任のある事柄も含まれるので、倉庫側の故意や過失による契約解除では、倉庫業者が損害を賠償するべきです。

また、パンフレットに「物品の出し入れは営業時間中いつでもできます」とあるのに、約款では「やむを得ない場合には、物品の出し入れや点検を拒絶できる」とあります。また、パンフレットに「盗難、害虫、カビ等の対策は万全です」とあるのに、約款には「ねずみや害虫による損害では責任を負わない」とあるのです。

トランクルームは倉庫業者が運営

こうした、国民生活審議会による指摘を受け、昭和61年には「標準トランクルームサービス約款」が制定された。その後、平成13年に倉庫業法が改正され、「国による優良トランクルーム業者の認定」や「賃貸不動産業など倉庫業以外の者が消費者に誤認を与える行為の禁止」などが盛り込まれました。

また、国土交通省と倉庫業界からは倉庫業以外の業者が「トランクルーム」の名称を使うべきではない、という見解があり、「トランクルーム」の名称は倉庫業者のみが使用し、不動産業など他の事業者は別の名称を使用するよう求められました。

現在は「トランクルーム」といえば倉庫業者が行うサービス事業で、不動産業者などが提供するサービスは「レンタル収納スペース」と呼ぶことが定着しています。

しかし、国土交通省からは、倉庫業者が行う「トランクルーム」が保管品の責任を負うのに対し、「レンタル収納」など非倉庫業が提供するサービスでは、保管は自己責任で行われる、ということを消費者がきちんと理解していないのではないか、とする注意喚起もあります。

実際、トランクルームとレンタル収納スペースの最大の違いは、倉庫業者が倉庫業法に基づいて営業しているかどうかと、荷物の補償義務の有無にあります。トランクルームは倉庫業者が荷物を預かり、預かった荷物を保全する義務がある。なので、料金の名目は荷物の「預かり料」ということになります。

倉庫業者のトランクスペースより格安なレンタル収納スペース

家族の大切な荷物も置けるレンタル収納スペース

参考:RSA

一方、レンタル収納スペースは主に賃貸不動産業者が提供するサービスで、あくまでも場所を賃貸する契約となります。保管される荷物の保全はせず、荷物の状態についてはユーザーの自己責任ということになります。

また、トランクルームは倉庫業法に基づいているため、荷物の出し入れには営業している倉庫業者の立ち合いが必要で、かつ利用できるのは倉庫の営業時間内に限られています。

対するレンタル収納スペースは場所を提供するだけなので、特に規制する法律はなく、荷物の出し入れもユーザーの自由で、多くの業者が24時間OKとしています。

レンタル収納スペースの歴史

バブル期の建築ラッシュによって首都圏建てられた多くのビルが老朽化し、さらに2012年には大型商用ビルの竣工が相次ぎ、都市部の商用ビルの空室率が高まりました。このときに空室をレンタル収納スペースに転用する動きが多数みられました。

また、2000年代に入ってから長く続いたマンションブームにより、家財道具の置き場を求める消費者が急増、トランクルームやレンタル収納のニーズも急増しました。さらに2020年に向けて再びマンションブームが訪れると予測されており、トランクルームの需要も続伸するとみられています。

平成13年に倉庫業法が改正された際、非倉庫業者が行うトランクルーム様のサービスについて、国土交通省から業界に対して、

  • トランクルームサービスとの違いを明確にする
  • 消費者に対して正確、適正な情報提供
  • 標準トランクルームサービス約款のような約款の確率

が求められました。

これを受けて業界では「レンタル収納スペース推進協議会」を設立しました。協議会では消費者保護とサービスの向上を目的に、モデル約款の導入、保険の整備、優良事業者への推奨マーク認定などを行っています。

協議会には22社の正会員と16社の賛助会員が参加しており、同協議会のホームページで公表されているので、優良事業者を選ぶ際に利用してはどうでしょうか。ちなみに会員は不動産業だけでなく、小田急や東急などの鉄道会社や物流会社、建築会社なども名を連ね、賛助会員にはエレベータの会社や警備会社、イナバの物置で有名な稲葉産業も参加しています。

レンタル収納スペースの利点は、何といっても手軽さでしょう。保管に関しては自己責任ですが、多くのレンタル収納スペースが空調とセキュリティの完備されたビル内にあり、24時間出し入れ自由となっています。

レンタル収納スペースの種類

ビルインタイプの収納スペースコンテナタイプのレンタル収納スペース

参考:RSA

スペースの面積は大小さまざまで料金もリーズナブルです。都心に近い23区内でも1畳ほどのスペースで1万円弱から利用できます。人気の高い店舗では空き待ちの予約が必要なほどです。

屋外タイプにはコンテナを使用したボックスタイプと物置タイプとがあります。立地にもよりますが約1坪で1万円弱と、屋外型は屋内型と同程度の料金で広い物件を利用できます。

いずれも契約は簡単で身分証明書と印鑑、引き落とし口座の届け程度で済みます。使用に際しては当月~翌月の料金と契約事務手数料だけのところも多いですが、保証金を求められることもあります。保証金の額はまちまちで、だいたい賃料の1か月~3か月程度としているところが多いようです。

屋内型のレンタル収納スペースでは出し入れの際のセキュリティに磁気カードなどのカード型キーを使うところが多く、スイカなどのIC乗車券カードで開錠できるところもあります。また、荷物の出し入れに宅配便を使用したり、集荷や配達をしてくれる店舗もあります。

24時間出し入れ自由なことと賃料が安いことから、レンタル収納スペースの人気が高まっていますが、トランクルームでも管理人を配置して荷物の出し入れを24時間対応にしている業者は少なくありません。

トランクルームの多様化が進む

レンタルボックス(コンテナ)トランクルームの一例

参考:LIFULL

レンタル収納スペースと比べると1.5倍~2倍ほどの利用料となりますが、荷物の保全をしてくれる安心感があるので、思い出の品や大切なものはトランクルームに、というユーザーは多い。

トランクルームは物品の出し入れに業者側の立ち合いが必要なため、不便さを感じるユーザーは多く、業者側でも人件費がかかるため利用料を下げにくくなっています。

㈱ホワイトプラスが日本梱包運輸と提携して提供するヒロイエというサービスは、荷物の出し入れを宅配便に限定することで、トランクルームの欠点を逆に長所とすることに成功しています。荷物の預かり料を980円からと安く設定し、出し入れにかかる運送費の両方で売り上げを稼ぐ新しいビジネスモデルです。

敷金・仲介手数料が不要な賃貸集合住宅のレオパレスでは、専用トランクルームを敷地内に設置した物件があります。トランクルームは物置をクローゼットくらいの大きさに区切ったもので、「外にある押入れ」程度のサイズだが、スタッドレスタイヤやサーフボードなど置き場所に困るものをしまっておけます。

保証金や手数料が不要で、2000~3000円で使用できるので、レオパレスに入居するなら便利でしょう。レオパレスの入居者以外でも借りることができますが、その場合は90日以上30日単位の契約となり、契約期間分の料金を全額前払いとなります。

首都高の高架下のトランクルーム恵比寿

鉄道会社などでは高架下の空きスペースを有効活用するため、店舗やトランクルームとして利用していることがあります。首都高速道路でも高速道路の高架下の有効活用として、時間貸しや月極めの駐車場を営業してきましたが、平成22年、新たな試みとして渋谷区の恵比寿で高架下にトランクルームをオープンさせました。

この「首都高トランクルーム恵比寿」は首都高速2号目黒線の高架下にあり、耐火構造の鉄筋2階建て、全174室を収容します。部屋の面積は1.09㎡から、料金は税抜月額12800円からとなっています。場所は山手線の恵比寿駅から白金高輪方面へ直進し、外苑西通りと交差する都心の一等地に位置します。近隣の地価からすれば格安といえるかもしれません。

この「首都高トランクルーム恵比寿」の管理運営業務を首都高速から委託されているのが、認定トランクルーム第1号の寺田倉庫です。寺田倉庫は平成3年に当時の運輸省(現国土交通省)からトランクルームとして初の認定を受けています。いわば現代的なトランクルームの草分け的存在です。

寺田倉庫は昭和25年に設立され、2年後の昭和27年には当時の農林省食糧庁の指定倉庫となりました。その後、昭和50年にトランクルーム事業部を創設し認定トランクルーム第1号となりました。現在では営業倉庫やトランクルームのほかに、ワインセラー、骨とう品や美術品、ビジネス機密文書や電子データ、映像フィルムなど特殊な物品の保管にも対応しています。

寺田倉庫では平成26年、新しいサービスモデルとしてminikuraを開始しました。minikuraは専用のボックスに預け入れる品物を収納し、宅配便で寺田倉庫に発送します。ユニークなのは専用ボックスに入れたアイテムを寺田倉庫のスタッフが1点ずつ写真撮影し、ユーザーはウェブ上から保管品を確認、管理できるところです。

WEB上で保管品を管理できる寺田倉庫のサービス minikura

参考:minikura

預託後は衣類ならクリーニング、写真やフィルムをデータにしたりというオプションサービスも利用できます。また、倉庫からダイレクトにYahoo! JAPANのオークション「ヤフオク」に出品できるというオプションもあります。

まとめ

ますます利用の幅を広げ、サービスを充実させていくトランクルームとレンタル収納スペース。引越しを考えるなら、住居と共にトランクルームの使用を検討するのが現代の賢い引越しの仕方といえるかもしれない。

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